韓国語とハングルの違いを正しく知ろう

韓国語コラム 한국어칼럼

「ハングル語」という言葉は存在しない理由

今回は、よく混同されがちな「韓国語」と「ハングル」の違いについて、わかりやすく解説していきます。

普段、韓国に興味がある方や、K-POPや韓ドラファンの方と話していると、
「ハングル語って難しいよね」
「ハングル語、勉強してみたいな」
という言葉を耳にすることがあります。

実はこの表現、厳密には間違いなんです。
「ハングル語」という言葉は存在しません。
「えっ、そうなの?」と思った方もいるかもしれませんね。

この記事では、なぜ「ハングル語」という言葉が間違いなのか、
そして「韓国語」と「ハングル」の正しい意味の違いについて、背景も交えながらじっくり解説します。


まず、ざっくり結論から

  • 韓国語:韓国で話されている言語そのもの
  • ハングル:韓国語を書くために使う文字の名前

つまり、
「韓国語」は言葉、
「ハングル」は文字

です!

たとえば、日本語とひらがなの関係に似ています。
「ひらがな語」とは言わないですよね?
同じように、「ハングル語」という言い方も存在しないのです。


背景:ハングルが生まれた歴史

ここからは、少し歴史を振り返ってみましょう。

ハングルは、1443年(15世紀)に朝鮮王朝の第4代国王「世宗(セジョン)」によって作られました。
当時、朝鮮半島では中国の漢字(漢文)を使っていましたが、庶民にとって漢字はとても難しいものでした。

「誰でも簡単に読み書きできる文字を作りたい」
そんな思いから、世宗は学者たちと協力して新しい文字を作り出しました。
これが、ハングルです。

ハングルの特徴は、とてもシステマチックで、科学的に作られている点です。
母音と子音を組み合わせるだけで、ほとんどすべての発音が表現できるため、当時としては画期的でした。

ちなみに、ハングルを作った当時は「訓民正音(くんみんせいおん)」という名前でした。
現在の「ハングル」という呼び名は、19世紀末に定着したものです。


よくある誤解:「ハングル語って、韓国語じゃないの?」

ここで、実際によくある会話をシミュレーションしてみましょう。


👦「韓国語って難しいよね!」
👧「うん、私もハングル語ちょっと勉強してみたけど、全然わかんなくて…」

👦「あ、実はね、“ハングル語”って言葉は存在しないんだよ。」
👧「え?どういうこと??」

👦「ハングルは“文字”の名前であって、“言語”の名前じゃないんだ。日本語でいうと、“ひらがな語”とか“カタカナ語”って言わないでしょ?」
👧「たしかに!!言わないね(笑)」

👦「だから、正しくは“韓国語をハングルで書く”って言うんだよ。」
👧「なるほど~!知らなかった!これからは間違えないようにするね。」


こんな感じで、やさしく説明してあげると、相手もすんなり理解してくれます。


ハングルの役割=「韓国語を書くための道具」

ここでもう一度整理しましょう。

  • 韓国語:言語そのもの(話し言葉・書き言葉の意味内容)
  • ハングル:その言語を「表記するための文字」

たとえば、

  • 韓国語の「こんにちは」は「안녕하세요(アンニョンハセヨ)」です。
  • この「안녕하세요」という表記に使われているのがハングル、
  • そして意味(こんにちは)を持つ言語が韓国語です。

つまり、ハングルは「表音文字」=音を表すための記号の集まりなんですね。
ハングル自体は「意味」を持たず、単なる音を表すための仕組みです。


なぜ「ハングル語」という誤解が広がったのか?

では、なぜこんなにも「ハングル語」という表現が広まってしまったのでしょう?

理由はいくつかあります。

  1. 韓国ブームによる急速な広がり
  2. 日本語には「ひらがな・カタカナ・漢字」という分類があり、感覚的に「ハングル=言語」と結びつきやすかった
  3. メディアやネット記事でも誤って「ハングル語」と表記されることがあった

特に2000年代以降のK-POPブーム、韓流ドラマの大ヒットにより、韓国文化が一気に広まりました。
その中で、正しい知識が追いつかず、言葉の混同が起こってしまったのですね。


「ハングル語」と言ってしまうリスク

とはいえ、日常会話で「ハングル語」と言ってしまうと、
韓国語を勉強している人や、韓国の方に対して「無知だな」と思われてしまう可能性もあります。

特に、言語や文化に誇りを持っている韓国人にとっては、
「私たちの言語を正しく理解してくれていない」と感じることも。

せっかく相手の国の文化に興味を持っているなら、
できるだけ正しい言い方を心がけたいですね。


まとめ:今日から「韓国語」「ハングル」を正しく使おう!

ここまでの内容をまとめます。

項目内容
韓国語言語そのもの。話したり、聞いたり、読む内容。
ハングル韓国語を表記するための文字。

今日からは、
✅「韓国語を勉強している」
✅「ハングルが読めるようになりたい」
というふうに、正しい表現を使っていきましょう!

そして、周りで「ハングル語って難しいよね」と言っている人がいたら、
今回学んだことを、やさしく教えてあげてくださいね。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
これからも、言葉や文化を正しく理解して、楽しく交流していきましょう!

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